田園都市手帖
第6回 つくし野
駅前には小さな商店街があり、その向こうには、奥深い並木道が続いています。いずれの建物も低層で、家々の土地は広く、落ち着きのある豊かさを感じさせます。実は、この街にも、田園調布と同じく土地利用や建築に関する住民協約が存在するため、このような景観が生み出されているそうです。心地よく暮らすための街、住むことに特化した街「つくし野」の風景は、そこに生活する人々の努力と合意によって形づくられているのです。
さて、他の多摩田園都市の街と同じく、「つくし野」にも坂が多くあります。坂を上れば、周辺の街を一望することができる場所もあり、「つくし野」の位置する多摩丘陵の景色を味わうことができます。いくつもの坂が織り成す街並みには、何度でもあの坂の向こうまで行ってみたくなる不思議な魅力があります。
明るい陽射しを浴びて白く輝く街を観ながら、風が並木を揺らして奏でる音楽を聴く。この街を歩くと、きっと色々な芸術に出合えます。癒しの街、つくし野。ぜひ一度、訪れてみてはいかがでしょうか。